刺繍をするときの姿勢について

表題についてお問い合わせをいただきましたので、こちらで回答したいと思います。

「インドの職人さんは床に対して水平の布に一日中刺繍をしていて首や肩が痛くならないのでしょうか?」というご質問でした。

私が行っている工房のマスターも概ね一日中刺繍をしています。といっても一日2回のチャイの時間、ランチの時間、あとまぁときどき生徒に呼ばれるのでそういうときは刺繍台から離れていますね。ただ、首筋を伸ばすような動作をしたり、肩を揉んだりするところは見たことはありません。まるで肩が凝っていない様子です。

私も刺繍をしているとやっぱり肩は凝ります。でも慣れてくるにしたがって、力が抜けて楽に刺せるようになってきたように感じます。

小さい写真でごめんなさい。インドの工房での私です。初めて行ったときのものなのでちょっと腰が引けていますが、刺繍枠の高さは椅子に座ったときの胸の高さくらいでしょうか。最初は「え、こんなに高いの?」って思いました。
工房にある枠はがっしりした土台に乗っているので、右手を乗せてしまってもビクともしません。
ある程度もたれかかれるというのも楽な姿勢がとれる要因だと思います。

上の職人さんを見ると良くわかりますね。左手で糸をかけるため、枠が肩に近い高さでないと手が届かないんです。この姿勢だと頭は下を向くことなく、前方を見ることになるので、首や肩に負担はかかりにくいです。

こちらはまた別の工房の職人さんですが、さらに高い位置で作業しているので首は楽そうですね。

Aariワークは糸刺繍のように針を刺す位置でニュアンスが変わるということはあまりなく、どちらかというと針をミシンのように等間隔で刺すタイプの刺繍です。
図案を正面から見たいために枠を下のほうに置きたくなりがちですが、布面は斜めに見る感じにして、頭が下を向かない高さになるようにしてみてください。
あとは、たくさん練習をして、肩の力を抜いて刺せるようになることですね。

ときどき休憩してストレッチなどしながら、楽しい刺繍時間を過ごしてくださいね!