糸がクルクルになる!
「長く刺し続けていると、手元側の糸がよじれてきてしまうのですが、これは、針をかける方向と針を回す方向がずっとおなじだからでしょうか。クルクルになった糸を泣く泣く切ることが多いです。」というご質問をいただきました。

質問者の方は時計回しのみで糸をかける方法で習ったとのことなんですが、一方向回しのみで刺しているからよじれるということはありません。なぜなら、私も前は糸がクルクルになってたから。
私は時計回り(右回し)と反時計回り(左回し)をミックスして刺してますが、以前はよく左手の下の糸に撚りがかかってしまってクルクルお団子になってしまったりしてました。今はもうクルクルから脱却しました。
それでも質問をいただいたからには、と検証してみることにしました。
糸は、薄物用の#80や#90の細いミシン糸(シャッペスパンやMIROなど)、フィラガン(オートクチュール刺繍教室などでよく使われる糸)、レーヨン刺繍糸2本どり、#25刺繍糸1本などで試してみました。布はオーガンジーやコットンの平織りです。
しばらく時計回しのみで刺し続けてみたのですが、特にクルクルすることなく疲れたので終了。
初心にかえって、糸をぎゅっと持って刺してみました。以前、私もクルクルしてたけど、今はしないようになったっていうことは、これが一番可能性が高いです。
結果は、少しクルクルしたかな・・・。ずっと続けたらもっとクルクルするかもしれません。
最後に、職人さんの手つきを確認しよう!と、YouTubeで左手が透けて見えるような動画を探して見ました。
勝手に埋め込むのも何なので、リンクだけ書いておきます。
こちら、スローモーションで見れます。右回しのみ。
https://youtu.be/LZZNquWgMyA
こちら、先日までオンラインレッスンを受けていたShakeel先生の動画。右回しと左回しミックスタイプです。2分30秒くらいから少しゆっくり見れます。
https://youtu.be/biREEwvUGTs
こちら、4分あたりから左手が良く見えます。指先だけだけど。多分右回しと左回しミックスタイプ。
https://youtu.be/dBdKUrl-7YI
渡した糸をかがるテクニックのことをBoota work というのではないので、付け加えておきます。私も2回目の渡印のときに教えてもらいました。作品に使う機会はあまりなさそうだけど、面白いテクニックです。
最後にもいっちょ。こちらはほとんど時計回しだと思います。
割と大きめの工房ですが、インドの刺繍工房の雰囲気も良くわかるし、手元も良く見えるし、刺してるデザインも素敵だし、イチオシの動画です。
https://youtu.be/bX0NXe74XjU
今回の検証では、はっきりしたところはわからなかったけど、多分、左手の力の抜け具合じゃないかと思います。
職人さんの手つきには力の入ったところがないし、糸自体とてもソフトに持っている感じがします。相談者の方も軽くつまむように持っているとのことだったので、なぜクルクルになるのかわからないのですが。
毎日数時間も刺している職人さんの手つきを真似するようにしていたらクルクルしなくなりました。職人さんの手つきって究極のスタイルだと思うんですよね。無駄を省いて効率と綺麗な仕上がりを追求したらこうなったっていう。
私ももっとがんばろう!
ぁ、これで回答になったでしょうか?また何かわかったら追記しますね。
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